2017年10月31日火曜日

家造りやって良かった事、広いトイレは介助がしやすい

我が家は広いトイレを作りました。とても介助がしやすく便利なので紹介します。
子育て世代で家作りを検討している方には参考になると思います。
3人立てるトイレのイメージ
トイレが広いと介助がしやすい
このくらい広いと、
 子供を便器に座らせ、介助する大人が1人膝を折って座れます。
 トラブルが起きた時は、ヘルプの大人がもう1人入れます。
 子供用の踏み台子供用便座おむつゴミ箱、など置いても余裕があります。

特に、子供のトラブル対応時に、大人2人が余裕で入れる事が非常に良いです。
入居後、実際にあった子供のトラブルは、
 1.間に合わなくて床で漏らす
 2.小便の的を外して床にこぼす
 3.嘔吐
です。

特に嘔吐の世話がやり易かったのがGOODでした。
(賃貸マンションの時は狭くて大変だった・・・)

突発的な病気や、号泣時の反応で子供は吐きます。
様子がおかしいなと思った時にトイレに連れていくと、便器の直前で床に吐いてしまう事もありました

大人なら便器の中に吐きますが、子供には難しいのです。
(自分が吐きそうだ、という感覚がまだ理解できていません。)

子供が嘔吐すると半狂乱状態になりました。自分の体の異常事態を理解できないからです。落ち着かせる為に抱いたり、背中を摩ってあげたりしますが、妻が子供の世話する間、私が嘔吐物を片づけます。その時、この広いスペースを大変重宝しました。

先日、小学生になった子供が「ロタウイルス感染」と思われる症状で、嘔吐を繰り返しましたが、気持ち悪くなったら自分でトイレに走る事が出来るようになっていました。
幼稚園の時は出来なかったんですが・・・成長しました。

あと数年で子供の介助も不要になり、広いスペースはお役御免になりますが、
老齢になった頃にも介助スペースとしてまた役に立つ筈です。

心得ておくべきは、通常の0.4~0.5坪のトイレは「健康な大人用サイズ」だという事です。介助が必要な場面では0.75坪くらいか、場合によりそれ以上が必要かもしれません。

写真:我が家の広いトイレ
引き渡し直前ビニールカバー付き
0.75坪か若干広いくらい?
広いトイレの真骨頂は年に1回か2回程度ですが、
いざという時に大変便利で、家造りのやって良かった事です。

ちょっと後悔がある事
 壁面埋め込み収納(積水ハウスのエスパースという棚)にしたのですが、あと10cm低くても良かったかも。低くし過ぎると圧迫感が出てくるという事で、若干高めにしたのですが、最上段へのアクセスに踏台が必要になりました。妻はこれで良かったと言いますが、私的にはあと10cm低い方が使い良かったと思います。

積水ハウスに提案された事
 便器を置く側の壁に、キッチンパネル「セラール」を提案してくれました。壁がピカピカしているので清潔感があります。良いアイテムを知っていますね。



建築中のトラブル(・・・お付き合いしてくれた結果の事故)

 実はちょっとトラブルもありました。手洗い下の収納扉を開くと小便器に干渉してしまい、扉が全開にできませんでした。
これは設計ミスと言うよりは、お付き合いしてくれた結果の事故でした。
建築が始まった後で、廊下の幅を10cm程広げるよう、変更してもらった結果、最初の設計位置より10cm程、扉が小便器に近づいてしまったのでした。


幸いにも、積水ハウスの方で交換手配をしてくれたので、追加料金は無しで助かりました。

男親心としての男子小便器
 何かの記事で「立ちションができない男児が増えている」という信じ難い話を読んだ記憶があります。一般家庭に男子用小便器が普及していない状況を物語っています。

子供を通わせている幼稚園では、小学校入学の対策として、男児に小便器の練習をさせる、という事でした。

そういう訳で、私は「男子用小便器が欲しい」と思いました。
(本当は壁付けタイプが欲しかったけど、+17万円も高い!!)

「小便器をつけるなら、広いトイレにした方が介助し易くなる」と妻の意見も一致し、小便器付きの広いトイレが実現したのでした。

事件、男児の後ろに父が並ばされる
  「お父さんは僕の後ろに並んで!」
 と年小組さんの息子に言われた事があります。微笑ましい出来事でした。男の子の感覚って面白い。

私が幼少の頃を思い出してみると、昭和の田舎の家は汲み取り式の小便壺、小学校は壁に向かって並んで放尿する臭い小屋でした。まだ連れション文化がある時代でしたね。

トイレ環境は数十年で劇的に進化し清潔になりましたが、時代が変わっても連れション文化の感覚は変わらないのだな、と思いました。

広いトイレは2児の世話が同時にできる
 幼い子供2人のどちらかが「おしっこ」と言うと、「僕も」「私も」と言われる事が何度もありました。
 そんな時、同時に子供2人を世話できるのが大変便利でした。
また成長に伴い恥ずかしさも芽生えます。年長さんになった娘は扉を閉めて鍵をかけるようになりました。同時に入室して用を足す事はなくなるでしょうが、でも2階にもトイレがあるから並ばなくて大丈夫。
(2階のトイレは普通に狭く作りました。)

これから建てる人へ
 貴重な建坪をトイレに割くのは勿体ないと感じるかもしれませんが、子供の世話だけでなく、病気の時の介助、老齢時の介助、などでも役に立ちます。
 ポイントになる考え方は、1日/365日くらいの確率で発生する危機(ハザード)に対処する為に、ほんの少し広いトイレにするか否かです。

 これから建てる方の建築計画の中で、1つの参考になれば幸いです。

2017年10月30日月曜日

家造りやって良かった事、ガスコンロのサイズアップ

我が家のシステムキッチンはワークトップ幅2.7mタイプ、
ビルトインコンロ幅75cmタイプにしました。

TOTO クラッソ ステンレストップ
ルフレバーガンディ(ブルゴーニュ色、つまり濃いワイン色)

一般的な建売だとワークトップ幅2.5mタイプ、
ビルトインコンロ幅60cmタイプが主流です(ほぼ確実)。
建売のみならず注文住宅でも、
初期提案では、2.5m、60cm、の組み合わせがよく使われます。
建築コストに効くからです。

コンロ機種で約10万円~20万円ほど違います。
ワークトップ幅でも、約10万円ほど違います。

他にも、形状(I型、対面型、A型、L型など)による値差、
塗装グレードによる値差、
ワークトップの材質(クリスタル、人工大理石、ステンレス)による値差、
食洗器のサイズ(浅型、深型)による値差、
レンジフードの機種による値差、
 等々、全て加味すれば、100万円近い値差が出ます。
キッチンは建築コストダウンの重要設備なのです。
ところが我が家は、キッチンの設備投資は惜しむべきでない、と考えました。
10年、20年、・・・と毎日3回も使い続けるので、
投資する事で利便性が得られるなら投資は回収できると考えたからです。

1年半住んだ今だからこそ、自信を持って大正解だったと思えます。

以下に我が家が導入した調理設備と効能を紹介します。

ハーマン(ノーリツ)
グリル幅258mm、奥行324mm、庫内有効高さ60mm
両面水無し燃焼方式
75cmコンロの中でも最上位グレードを選んだので、
グリルも大きい物になりました。
その結果・・・↓
なんと、ホッケが丸ごと入ります。
サンマも丸ごと入ります。
しかもサンマは骨まで火が通り、小骨まで食べられます。
→ 持っていたサンマ焼き機は捨ててしまいました。
本当に素晴らしいグリルです。

さらに感動は続きます。
なんと、手羽先が驚く程パリっと仕上がります。
手羽先は非常に安い食材ですが、
美味しく調理するのが難しい弱点があります。

ところが、このグリルは手羽先を焼くだけでご馳走に変えてしまいます!
本当に素晴らしいグリルです。(2回目)

さらに感動は続きます。
ピザも入ってしまいます。
しかも速くカリっと焼けるので、まるで石窯のようです。
本当に素晴らしいグリルです。(3回目)

さらに感動は続きます。
おまけのダッチオーブン
このダッチオーブンはグリルにピッタリ入る形状で、
しかも釉薬処理されているので汚れ落ちも良好です。
鋳物特有の蓄熱性の高さで、食材が柔らかく煮えてくれます。
おまけまで付いて本当に素晴らしいグリルです。(4回目)


上位機種コンロのグリル性能は素晴らしいものでした。
安い食材もご馳走に変わります。
言わば魔法のグリルです。

上位機種コンロは、投資に見合った価値ある設備だと思います。
晩酌も少ない手間で高品質に運営できるのです。

積水ハウスの営業マンの功績
 キッチンに限らず、設備はグレードの値差がかなりある為、
 建築計画の途中で金額が膨らんでしまう事例は多々あります。
 あまりに金額が膨らむと、お客は逃げてしまうし、
 営業マンは罵倒される事だってあります。(話が違うじゃないか!と)

 そのため、色々とマル秘テクニックを蓄えているようです。

我が家も価格が膨んでいく傾向がありましたが、
我が家担当のスーパー営業マンが頑張って価格を抑えました。

我が家担当のスーパー営業マンは、設備メーカーの各種キャンペーンを熟知しており、うまい具合に組み合わせて価格を抑えるテクニックを持っていました。

例えば来月にモデルチェンジがあるので、現行機種はグレードアップキャンペーンで価格据え置き、とか。

どうやら設備メーカーは、住宅メーカー向けに「今月のキャンペーン」という仕掛けをしているようですが、知っているか否かで差が出る情報です。

我が家担当のスーパー営業マンはそれをよく知っていたし、TOTOのアドバイザーや営業担当者らと情報交換が円滑に出来ていたのです。

これから建てる人へ
 キッチンの設備機能への投資は惜しまない事がオススメです。
 値段が張る部分は積水ハウスの営業マンに頑張ってもらいましょう。

 でも1番大事なのはキッチン設備のショールームに通う事かもしれません。
 我が家はTOTOにしましたが、優秀なアドバイザーに出会う事も重要です。
 おそらくは、住宅営業マンと同じくらい重要なキーパーソンになります。

 我が家がお世話になったアドバイザーの事は、別記事で書きたいと思っています。


2017年10月28日土曜日

積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、5

前記事
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、1」
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、2」
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、3」
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、4」
の続き5回目。
拒絶と肯定、を禁じ得ない記事が多数ある下記サイト、『イエログ』の記事元を引用しつつ、一言、二言、発していきます。

積水ハウスの口コミ情報『イエログ』

https://green-fellow.com

『イエログ』No.137
拒絶しか感じない記事です。
 ■キーワード:「クオカード」
   クオカード、500円か1000円かですね?
   展示場回ったら貰えなかったって?
   それだけの恨みですか。
   どうでもいいです。
   クオカードは建てる人の負担です!!
   建てようと思ってない人に金を渡さなかった!
   その営業マンは正しい!!

『イエログ』No.138
拒絶を感じる記事です。
 ■キーワード:「コクセン」
   Google先生で検索しても、なんも出てきません。
   国民生活センターのURLが、http://www.kokusen.go.jp/ 、なので、
   おそらくはこれの事を言っているのだと思いますが・・・
   なんで正式名称で書かないんでしょうか。
   読み手が勝手にそう解釈する事を狙っているんでしょうか。
   怪しさがあります。

 ■キーワード:「言われていた」「十数万円」
   正式なキャンペーンとして文書で書かれていたんじゃない、
   と言っています。
   営業マンのトークで出たんでしょうか。
   事実であったと仮定した場合、営業マンが嘘をついた、と言いたい訳ですが、
   口約束を反故にされたという事です。
   4000万円前後の契約をするのに、十数万円の口約束をするって、
   施主がセンス無さ過ぎです。


『イエログ』No.142
拒絶を感じる記事です。
 ■キーワード:「規格や金具などが積水は特殊なものが多いらしく」
   これは一般的な流通文句です。
   プレハブ会社は金具が特殊、と言われます。
   しかし、どこの金具が特殊なのか?
   何をやる為に金具を変える必要があるのか?
   まったく理解できないのです。
   積水ハウスの構造は非常に単純なんです。
   柱の鉄骨と梁には孔が空いていて、孔をボルト締めしているだけです。
   ボルトも、ブレースに使うターンバックルもJIS規格の流通品です。
   一体どこをリフォームしようとしているのか。。。
   建てた施主として全く理解に苦しみます。
   なんとなくソレっぽい事を書いているだけだと思います。
   特殊な金具があるとすれば、外壁の固定金具ですが、
   それを交換する必要性が全く理解できません。


『イエログ』No.144
拒絶を感じる記事です。
 ■キーワード:「積水リフォーム(株)」
   積水ハウスリフォーム株式会社(2004年9月設立)
   ですね。批判を書く記事において、
   会社名が正しい例を見たことがありません。

 ■キーワード:「融通は利かない」
   どんな融通を利かせて欲しいのか、書いてもらいたいものです。
   抽象的過ぎて判りません。

 ■キーワード:「屋根瓦の交換」
   1960年創業の積水ハウスですが、
   積水ハウス50年史、P.72によると、
   1976年に和瓦の家BW型、BKW型を発売、とあるので、
   1976年に建てたと仮定して、2011年は築35年です。
   1976年に20歳の人なら2011年で55歳です。
   55歳なら、インターネット掲示板に書き込んでも不思議はない年齢ですが、
   20歳で新築するとは考えにくいものですし、
   No.144の記事を読んで55歳の人の姿が浮かびません。
   もう少し若いんじゃないでしょうか。
   つまり築35年以下、と考えたくなります。

   何故35年以下で、瓦を交換する必要があるのでしょうか?
   和瓦は60年以上耐用します。

   100歩譲って、瓦交換の金額差があったとしましょう。
   屋根の瓦交換をするなら、普通は野地板の張替えもします。
   瓦が痛んでいるなら、下地も傷んでいるからです。
   野地板の張替えがONされているか否かで、100万円の違いは肯定できます。
   野地板を張り替えて屋根瓦を交換する vs 屋根瓦だけ交換する
   (積水ハウスリフォーム)     vs (他社)
   の構図ならば、100万円の値差があっても不思議でありません。

 ■キーワード:「同じ瓦」
   2011年時点で、積水ハウスの瓦は、オリジナル仕様なので、
   他社が同じ瓦を使えるとは思えません。
   
   100歩譲って、一般流通品を施主が指定した可能性はありますが・・・
   なんか違う気がします。

 ■キーワード:「その後オール電化も見積もり」
   数年前に外壁塗装+瓦交換をやった人が、
   数年後にオール電化リフォームをする、
   という、発想のとんでもなさ、がまったく理解できません。

 ■キーワード:「他社施工部の修繕はしません」
   時系列で整理してみましょう。
   数年前、
    外壁塗装のみ、積水ハウスリフォーム、に依頼
    瓦交換を、他社に依頼、
   数年後、
    オール電化リフォームを、積水ハウスリフォーム、に依頼、
    他社施工部の修繕はしません、と積水ハウスリフォームが言った、
   ・・・他社施工部は瓦でしょ??

   なんで、オール電化で瓦の修繕が要るの??
   給湯器をエコキュートに変え、ガスコンロをIHに交換する、
   それがオール電化リフォームですね?

   この記事が嘘なんじゃないんでしょうか。。。


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以上4件、今回も拒絶しかありませんでした。
『イエログ』の記事はこんなのばかり続くのでしょうか。
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2017年10月21日土曜日

住宅メーカーの思い出、ダイワハウス

ダイワハウスもお世話になった住宅メーカーの1つです。
ある分譲住宅地で契約寸前まで進行しましたが、些細なトラブルで縁を切りました。

■いくらなんでも頭に来た事
些細なトラブルというのは、担当建築士の「ひと言」でした。
「回転させていいですか?」

この言葉が発せられたのは次のようなシーンでした。

・分譲住宅地に申し込み、10万円入金。
・2週間以内に建築契約を結ぶか否か決定する必要あり。
・その為の間取り打ち合わせを数回実施。
・打ち合わせの無い日は自宅で必死に考えた。
・期限最終日、最後の詰めの打ち合わせで支店へ。
・かんかんがくがく、担当建築士と打ち合わせ。
・完璧ではないが、精一杯やった、なんとか出来たか・・・という時

 担当建築士(二級建築士)は言いました。

・この団地では街並みの景観を揃えるため玄関の向きが決まっていた。
・先ほど調べて気が付いた。
この間取りを「90度回転させていいか?」

「??ハァッッッ????」

瞬間、怒り新党、いや心頭。
間取りって採光、通風も考えてするでしょ?
回転させたら台無しでしょ?
寝る間も惜しんで考えて来たよ?
お前プロだよね?
なんつった?
ちょっとなットでバぐらせろ?
「この人に任せるべきでない」
「ダイワハウスは駄目だ」
「二級ですらない二流建築士だ」
あまりの怒りに血の気が引き、分譲地の申し込みを解除、縁を切りました。

その時検討した分譲地の写真
この道に垂直に玄関を向けていたのを、平行になるよう回転を求められた。

その時の間取り(下写真:ダイワハウスの建築計画資料より出典)
今見ると「ひどい間取り」。。。
間取りは施主だけで考えるモノではありません。おおまかな希望を建築士に伝えて草案を出してもらいます。
その草案に対し、あーしたい、こーしたい、という希望を重ねていきます。
上図間取りも、草案をもらってから、合作しているわけですが、所々通路が狭い、動線が悪い、余計なスペースがある、など今なら判ります。
建てなくて良かった。。。
そう考えると、あの時の二流、もとい二級建築士さん、私を怒らせてくれて本当にありがとう。

当時は最悪な思いしかありませんでしたが、
そういう事を経験してレベルアップしたからこそ、今の家の間取りは住みやすい物に出来たわけなので、ダイワハウスでの出来事も良い経験だったと言えます。

そういうわけで、最後は嫌な思いをしたダイワハウスでしてが、それまでの良好な関係の中では感謝することも多々ありました。

■地域特性の情報に感謝
ダイワハウスとの接触は、家造り検討の初期の頃からでした。
まだ右も左も判らない頃、担当営業マンは色々教えてくれました。
非常にやさしい方でした。

ただ残念だったのは、上司に頭が上がらない様子だった事です。
企業文化なのでしょうが、客にわかるようでは雰囲気良くないです。

脱線しました。
担当営業マンから聞いた情報で、特に役立ったのは、地域特性です。
「ここの学区はちょっと元気が良過ぎる」
「ここの土地は地元の方でなければ勧めない」
という柔らかい表現で、住むべきでない地域を逐一教えてくれました。
担当営業マン自身が地元の出身であった為、地域の特性をよく知っていたのです。

なので「売れればいい」という邪悪なスタンスは担当営業マンにはありませんでした。
邪悪なスタンスがあったのは、その上司(店長)です。

■大阪商人のDNAをインストールされた店長
ダイワハウスの分譲地にある建売物件の中で長話しをしていた時でした。
なぜか顔を出してきた店長。
「この建売物件はどうですか?」という感じでこちらの意を聞いてくる。
柔らかくお断りする感じで色々お話しすると、
「なにが足りませんか?」と聞いてくる。
正直なところ、値段が高い、と言いたいけど、見えるんですね、次の言葉が。
「幾らだったらいいですか?」と言うに違いないんです。
その次も見えるんです、ーX00万円なら・・・と、もし言ったならば、
「今決めてもらえればその値段にします」と言うに違いないんです。

ダイワハウスは大阪で生まれた会社ですから、
なにわの商魂がインストールされてる感じでした。

複数社入り乱れの分譲地という場所は、他社営業を通じ情報がじゃんじゃん流れます。
ダイワハウスは500万円も値引きする事があるらしい」と聞いた事があります。

値引きがあっても、欲しいと思える物件では無かったので、
商談なんかされたくないんですが、熱心過ぎるんですね、大阪商人魂。

「ダイワハウスはゆっくり家造りさせてくれない」
という印象。
だからあえてダイワハウスにしたいとは思っていませんでした。
それなのに、何故ダイワハウスの分譲地に申し込みしたのか?

その理由は、
ダイワハウスは土地開発力がスゴイからです。
いい場所に分譲地を開発するんですよ、もう。。。

だから冒頭紹介した分譲地に申し込みをして検討してたのですが、
ダイワハウス側が急いでるもんだから、良い結果にならなかった訳です。

なぜダイワハウスが急ぐのか?
推測ですが、ミサワホームの営業マンが、ダイワハウスの戸建て販売部門は赤だ、とネガキャン言っていましたから、おそらく分譲地を早々に現金化し、次の投資に回さないといけない、キャッシュフローの問題があるんだろう、と考えられます。

脱線しました。
家造りは、ある程度ゆっくりやりたいものです。

ちなみに積水ハウスも決してゆっくりとは言えません。期間内にぎゅうぎゅうに詰め込んだ検討でした。モティベーションを維持するのは大変でした。大手ビルダーの弱点は検討期間の短さだと言えるでしょう。

■積水ハウスに無い良い仕様の部分がある
ダイワハウス積水ハウスの仕様を比べると、一部ダイワハウスが優れた部分がありました。
1.軒瓦

(上写真:ダイワハウスの建築計画資料より出典)
ダイワハウス軒瓦は陶器です。(注文住宅の標準仕様。建売は違います。)
積水ハウス軒瓦はガルバリウム鋼板です。

材料費が高いのはダイワハウスの陶器の軒瓦の方ですが、
何故、積水ハウスの軒瓦はガルバリウム鋼板なのでしょうか?

それはパッキン付きの釘の耐用年数が短いからです。

リフォームスタジオ ニシヤマ」さんのHPには、
軒瓦はパッキン付きの釘の劣化があり打ち直しが必要だ、と書かれています。

ダイワハウスの軒瓦の写真もよーく見ると、釘が見えます。

なので、積水ハウスの考え方は次のように整理できます。
 ・外壁塗装、目地の補修、屋根のメンテ、を全て30年後に同時に行う。
 ・せっかく足場を組むなら、壁だけじゃなく屋根も同時にやろう。
 ・釘を打つという事は手元がくるって叩き割る可能性がどうしてもあるので、
  異形物の軒瓦は金属製の方が良い。

この事に気が付いたのは積水ハウスの夢工場見学に行った時でした。メンテナンスサイクルが似通った部材を使う事で、大規模補修を一気にやるという積水ハウスの考え方は、奥が深いなぁと思いました。


(上写真:ダイワハウスの建築計画資料より出典)
ダイワハウスロック瓦を使います。
 ちなみにパナホームもロック瓦だったと思います。

積水ハウスはロック瓦じゃありません。

ロック瓦とは、地震の時に崩落しないように、台風で飛ばないようにする仕組みです。そもそも屋根瓦が何故地震の時に崩落するかと言うと、釘打ちを3段飛ばしで打っているからです。(建築基準法で飛ばして良いことになっている)

全数瓦に釘を打てば、地震の時に崩落する事は無い、というのが積水ハウスの考え方です。

また耐風性も、風速60mに耐える実験結果がある事から、わざわざコストをかけてロック瓦にしなくても良いと、積水ハウスは考えているのでしょう。

3.雷ブレーカー(避雷器)
ダイワハウスの標準仕様では、雷ブレーカー(避雷器)が付いています。
積水ハウスの標準仕様では、付いていません。

我が家の雷ブレーカーは、ダイワハウスの仕様を参考にし取り入れた物です。
(上写真)
避雷器の隣にある感震遮断ユニットは、我が家のオリジナル仕様です。
ダイワハウスにも、積水ハウスにも、標準では付いていません。
より安全な住まいになるように願い採用しました。

■ダイワハウスのキャッチフレーズは「強い家を作ろう」
色々と些細な仕様を見ていくと、たしかにダイワハウスは強さを狙った仕様を採用しています。上で紹介した、軒瓦、ロック瓦、雷ブレーカー、がそれです。

しかし所々よーく積水ハウスと比較すると、積水ハウスの方が強いと思える仕様があります。

■ダイワハウスより積水ハウスの方が強い部分がある
ダイワハウスは軽量鉄骨、つまり鉄の家なんですが、建て方をよく見ると「木の家じゃないかー!」と叫びたくなる仕様ばかりです。

ダイワハウスの小屋組み(木です)
屋根の野地板を張っている部分が木です。鉄の家なのに何故木なんでしょう。

積水ハウスの小屋組み(鉄です)
積水ハウスは野地板を張る部分は鉄です。鉄の家というジャンルへのこだわりを感じます。

ダイワハウスの1階天井(木です)
訳が分からない、鉄の家なのか木の家なのか、どっちなの?と言いたくなる構造をしています。この構造では火事の時が心配です。1階で出火したら2階の床に燃え移るスピードは速いでしょう。

積水ハウスの1階天井(ALCです)
ALCとは発泡コンクリートです。ヘーベルハウスが外壁に使っている材料です。もちろん不燃材です。これなら1階で火事があっても2階の床に燃え移るスピードは遅くできます。逃げる時間に余裕がありそうです。出来る限り不燃材を使っている事にこだわりを感じます。

ダイワハウスの胴縁(木です)
ダイワハウスは石膏ボードを張る胴縁も木です。不燃材という考えは無いのでしょう。

積水ハウスの胴縁(鉄です)
積水ハウスは石膏ボードを張る胴縁は鉄です。不燃材という考えを貫いています。
1階の熱が2階に逃げないよう天井断熱材もしっかり入っています。もちろん不燃材。
不燃材へのこだわりを感じます。

ダイワハウスの間仕切り(木です)

積水ハウスの間仕切り(鉄です)

このように、ダイワハウスは「強い家をつくろう」と標語を掲げていますが、木を使い過ぎて、耐火性を損なっているのが残念な所です。

積水ハウスは不燃材へのこだわりを感じます。
鉄の家の看板にこだわりを持っているのでしょう。

そういえば火災保険に入るとき、保険会社の人が、「積水ハウスは全焼する事が殆どない」と言っていたのですが、納得感があります。まぁ、全焼したほうが保険金は多いんですが。

■床下を見て判る、使い分け仕様へのこだわり
ダイワハウス積水ハウスの仕様を比べて、強い部分を見比べてきましたが、床下だけはちょっと考え方を変えて見てあげる必要があります。

ダイワハウスの床下(グラスウールです)
グラスウールです。外壁の断熱に使っているグラスウールと同じものです。使い分ける気は無いようです。

積水ハウスの床下(ポリスチレンです)
ポリスチレン、発泡スチロール、詳しくはEPS(ビーズ法ポリスチレン)です。
外壁た天井のグラスウールと異なる材料を使い分けています。

積水ハウスは床下だけは、可燃性のポリスチレンを使っています。何故でしょう。
それは、1階の床は水漏れリスクが非常に高いからです。

何故1階の床は水濡れリスクが高いか?
水場(台所、洗面、風呂、洗濯場、トイレ)が多数あるからです。
我が家も新築引っ越し早々、やっちまったのが、床水浸し事件です。

ある日の事です。
洗濯機の風呂水ポンプが外れ、床が水浸し!
床水浸しの処理後に床下に入って撮った様子
断熱材(発泡スチロール)の隙間から水が染み出ています。
これなら次第に乾きます。ギリギリセーフです。

慌てて処理したから、床水浸しその物の写真が残って無いのですが、
この時、悟ったのは、床下にグラスウールは駄目ゼッタイ、という事です。

グラスウールは水濡れ厳禁です。濡れたらカビます。

家に住むという事は、どこかで水を使うという事です。人間が水を使うからには、ヒューマンエラーで水をまき散らす可能性があるという事です。水場が多い1階ではその可能性が特に高いのです。

極論すると、積水ハウスの2階の床はグラスウールがあるので、2階に水場を作るの良くありません。とはいえ、トイレと手洗い場くらいは妥協するしかないでしょう。たまに2階キッチンや、2階風呂を作る人がいますが、それは積水ハウスでなく他のビルダーでやる方が良いでしょう。鉄筋コンクリートとか。

脱線しましたが、
積水ハウスは不燃材を使う事にこだわりつつ、1階の床断熱だけは可燃材を妥協して使い、その代わり耐水性を持たせています。
積水ハウスは現実的リスクを良く考えています。

また脱線しますが、ミサワホームも床にグラスウールが使われています。30年も住んだら、1度や2度はバケツをひっくり返す事があるんじゃないか?グラスウールは大丈夫か?と営業マンに聞いたら、「気を付けてください」と、非常に歯切れの悪い受け答えになった事を覚えています。
ミサワホームの営業マンは判ってて誤魔化したのでしょう。

ちなみにダイワハウスの答えは「グラスウールを圧縮したオリジナル断熱材なので水を吸いにくい」という事です。
ダイワハウスにも主張はあるかもしれませんが、もう一度言います。
床下にグラスウールは駄目ゼッタイ
長く住めば水はこぼれます。
覆水盆に返らず。

■まとめ
ダイワハウスの思い出は、営業マンとの関係の内は良かったですが、建築士と店長との相性が最悪でした。どこの会社でも、合う人と合わない人はいるでしょう。営業マン、建築士、店長、現場監督、らが自分の性格に合う、しかも誠実な人で揃うか、揃わないか、それは半分運ですが、営業マンとのやり取りの中で、関係者の性格を少しでも見極めていく事が大切です。

最後にダイワハウスの外観を残して終わりにします。
縁は切ったが、それだけ沢山の事をダイワハウスから学び取ったからこそ、
今回は非常に長い記事になりました。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。

ダイワハウス外観例

ダイワハウス外壁例







2017年10月13日金曜日

積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、4

前記事
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、1」
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、2」
「積水ハウスを考える、『イエログ』を真面目に読む、3」
の続き4回目。
拒絶と肯定、を禁じ得ない記事が多数ある下記サイト、『イエログ』の記事元を引用しつつ、一言、二言、発していきます。

積水ハウスの口コミ情報『イエログ』

https://green-fellow.com

『イエログ』No.127
拒絶と肯定を両方感じる記事です。
 ■キーワード:「内部事情を最も知るもの」「はずです」「ように思いますよ」
   全てを知ってるぞ!俺は内通者だ!を言った後なのに、
   何故トーンダウンしてるのでしょう。不思議です。
   展示場はお客が来た時に寒いと思われないよう、暖房を付けている、
   ならば何故、展示場にいる従業員は、寒くて仕方がない、と思っているのか。
   矛盾した主張です。
 ■キーワード:「31%の粗利」
  2011年1月発表の積水ハウスの決算書
  P.21を引用すると、

  売上高 =1兆4,883億円
  売上原価=12,311億円
  原価率=12311/14883=0.82=82

まず粗利31%なら
2000万円の家の場合、
建築材料費+外注工事費=2000×(1-0.31)=1380万円

次に、決算書より、売上原価率82%だから
売上原価=2000×0.82
    =1640万円
    = 建築材料費+外注費
     +従業員の給料+諸経費

従って、 従業員の給料+諸経費=1640万円-1380万円
           =260万円

家1軒建てるのに必要な総労力は3人1か月くらいなので、
平均年収500万円を仮定して、
500÷12×3=125万円
      =従業員の給料、と仮定すると
諸経費=260-125
   =135万円
諸経費=広告費+研究開発費+通信費+交通費+接待費+その他利息など

まぁ、そんなもんでしょう、って感覚で落ち着きます。
不思議はありません。粗利は31%くらいなんでしょう。
 ■文脈から考えると・・・
   ・利益取り過ぎだって言いたかったんでしょうけど、
    そんなもんよ。どこだって。工務店だって利益とるから。


『イエログ』No.128
拒絶と肯定を両方感じる記事です。
 ■キーワード:「違う部材」「作業員が素人」
  嘘の見積もりで仕入れグレードを落とすのは行為として危険過ぎます。
  仕入れを間違ったんでしょう。
  打ち合わせの途中で、マテリアル表、を渡されるので、
  施主はそれを根拠に指摘すればやり直させる事ができます。
  根拠があるから裁判になったら積水ハウスは負けます。
  だから請負業者(積水ハウス)は決めた通りの部材で施工します。

  作業員が素人で傷がついたのは、気の毒です。
  そういう事もあるかもしれません。
  素人がベテランになる為には現場で経験を積むしかありませんから。
 ■おそらくは・・・
  間違いゼロ、傷ゼロ、でやってもらいたかったのでしょう。
  でもそれはなかなか難しい事です。
  我が家にも、いくつか間違いや傷はありました。
  程度の軽い物は補修、そうでなければやり直し、その時々での対応です。
  そこには、期待と現実の格差があります。
  受け入れて善処するしかないのが現実です。


『イエログ』No.131
拒絶を感じる記事です。
 ■キーワード:「各地の営業所・支店内で横行」
   あたかも、あなたの近くの営業所・支店でもありましたよ、
   と言いたそうな作文です。
   ホラ吹き過ぎでしょう。
   あったとしても、1件,2件と、そのくらいじゃないでしょうか。

   そもそも、「職場に女性が増えると不倫が横行する」って、
   そこの持って行き方はちょっと無理があるでしょう?

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以上3件、今回は粗利のところが苦手分野でちょっとヘビーでした。
読めば読むほど、『イエログ』の記事はビミョーなのが多いと思います。
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