2016年8月30日火曜日

我が家はZEHを採用しなかった、というお話

新築を計画する時、発電設備をどうするべきか、悩む人が多いと思います。

私も悩みましたが、選んだのは枯れた技術のエコジョーズでした。

・・・
高断熱住宅に、

  太陽光発電+ガス発電(エネファームなど)
 または
  大容量太陽光発電

といった設備投資を加えて、家庭で消費するエネルギー量以上の再生可能エネルギーを生産しながら生活して行くような家を、ZEH(ゼッチ、ゼロエネルギーハウス)という言葉で表現されます。

再生可能エネルギーは、エコだエコだ、と言われているんですが、家庭用に関する私の理解は、

 「エネルギーを沢山生産して、沢山消費する。」

というものです。


積水ハウスに限らず、住宅メーカーは、ZEH仕様での建築計画を推奨してきます。

これは国がそうしろと言っているからです。
噂では2020年からの新築は、ZEH仕様でないと建築確認申請が下りないんだとか。

善良な国民としては、国の方針に従ってそういう家を建築したいものですが。。。
先立つ物も重要です。

「投資額は回収できる」という宣伝がされますが、しかし売電で本当に儲かるのでしょうか?

 この話題は、他の沢山のサイトで説明が試みられていますので、
 ここでは追求しない事にします。

 それらをひと通り読んで研究した結果、2015年時点で私は次のように考えました。

 「おそらく収益性はトントンくらい、でも、
  10年後のパワコンのメンテで10数万円くらいの現金の準備が要るし、
  20年後くらいにパネルの大規模メンテで100万円を超える現金の準備が要りそう、
  台風の度に不安になるだろうし、
  初期投資費にローンの利息が乗ってくるし、
  固定資産税の見積もりを入れたらもっとマイナスになるし、
  壊れた時は純リスクだから、保険を手厚くしないといけないし、
  ・・・
  それに売電価格のしわ寄せで、再生エネ賦課金が庶民に課せられているから、
  ZEHはお金持ちだけが得するシステムに見える、そんな制度を国が作るだろうか?
  ・・・
   」

この思考で決定的だったのは、

 「お金持ちだけが得するシステムを国が制度化する筈が無い。」

という、国家政府を信用した考え方です。

むしろこの思考の方が、

 「本当にプラスになるの?」「データでは・・・」

という終わり無き思考を繰り返すよりも、簡単に腑に落ちたのでした。


・・・
でも、ZEHにしなくて本当に良かったと思うかというと、必ずしもそうではありません。

 ・熱効率なんて気にせず吹き抜けを付けて、
 ・エネファームを付けて床暖房も入れて、
 ・床暖房が効いてれば換気システムを回しっぱなしでも寒くないし空気も綺麗、
 ・売電で光熱費は実質ゼロ

そんな贅沢な家は欲しいに決まっています。

ただし、予算がプラス300万円かそれ以上は必要()だったのと、
多分長期的にロスが出る、そしてそれが明確に判明するのは退職後だから、
神経質な私の性格では、その時が来るまでずっと気にしてしまいます。
(※実際は150万円くらいでもできるが、発電量を欲張ったり、床暖房=吹き抜けでも寒くない、というような事を折角だから・・・折角だから・・・と積み重ねていくと建築費が膨らむ為)

来る日も来る日も同じ事を気にして、ストレスで死期が早まるくらいなら、

私には、枯れた技術のエコジョーズが最適だと思っています。


今のところ、エアコンの効きも良く、風通しも良く、快適に暮らしています。

エネファームの低周波騒音で隣家が裁判を起こさないかと気を揉む事もありません。


自分の性格にあった設備を選択する事が大切だと思います。


住宅メーカーの思い出、パナホーム、選ばなかった理由

パナホームも新築検討時に比較検討した住宅メーカーの内に一社です。

パナホームは素敵なプランを作って頂いた思い出があり、心残りもある忘れられない住宅メーカーです。

・・・
パナホームはパナソニックの関連企業です。パナソニック=松下電器ですので、松下幸之助氏が住宅事業に進出したのに端を発する歴史ある住宅メーカーです。

構造は鉄骨です。

パナホームの他に、鉄骨を扱う住宅メーカーは、
 積水ハウス
 ダイワハウス
 ヘーベルハウス
 セキスイハイム
 トヨタホーム
 ミサワホーム
などが有名所ですが、
パナホームはその中でも鉄骨だけで3種類の構造を持つ珍しい会社です。

 ・重量鉄骨、ラーメン工法
 ・軽量鉄骨、制震軸組工法
 ・軽量鉄骨、大型パネル工法

私が接触した際は、大型パネル工法、を推奨していました。

パナホームの大型パネル工法について思ったこと

(写真:外壁側から見たパネルの断面モデル)


(写真:居室側から見たパネルの断面モデル)


パナホームの大型パネル工法というのは、

 ・鉄で四角い枠を作る
 ・パーティクルボードの1枚板を鉄枠の全面にビス止めする
 ・鉄枠を基礎の上に組み上げ、家を作る

という工法です。

安価で頑丈な耐力壁を家全体に潤沢に使えるメリットがあり、
建物の変形を抑えるのに非常に有効に働くようです。

比較対象として、積水ハウスやダイワハウスの構造は、

 ・鉄で四角い枠を作る
 ・十文字の補強(ブレース)を入れる

という「ブレース構造」を使っているのですが、
パナホームの大型パネル工法は、ブレース構造より壁が変形しにくいという事でした。


(図:パワテックパネルが変形しにくい理由)

ツーバイフォーの鉄骨バージョンだと理解できます。


パナホームの担当営業マンから見せて頂いた手持ち資料では、パナホームが「最大応答変位(※)」という数値で、

パナホーム(大型パネル工法)
  <積水ハウス(制震シーカスを装備)
    <ダイワハウス(ノーマル)
      <積水ハウス(ノーマル)

の順(小程良好)を示しており、明らかな優位性を感じました。

(※戸建住宅の場合、地震波を実験棟の建物に与え時に、下図の位置で測定される値の事を言います。阪神淡路大震災の波形を与える事が多いようです。


(図:最大応答変位とは)


この「最大応答変位」は建物の耐震性を示すのに非常にわかり易い指標なのですが、、、、

ところが、「最大応答変位」について住宅メーカー各社について検索しても、まとまったデータは見つけにくい状態にあります。

いくつか理由が考えられます。

 ・実験用の建屋であり、各社全く同じ寸法で比較している訳でない。

 ・地震波の特徴は毎回異なり、阪神淡路大震災の波形だけが絶対的な評価基準には成り得ない

 ・建屋の荷重となる屋根の材質、外壁の材質はオプション仕様の物が多くあり、
  それらの選択で建屋の重量が結構変わる。

 ・実験棟に搬入する家具などの総重量、配置も各社実験で異なる為、
  単一の数値で横比較するには無理がある

 ・実際に建築される建屋は複雑な凸凹があったり、
  また窓の配置によっても耐力壁のバランスが変わるので、
  総二階の実験棟の揺れ方が実際の建屋を代表するとは言えない。

おそらく、上記のような理由があって、

 さらにおそらく、「不毛な争いになるので、この値をPRに使うのはやめよう」

と業界団体内で申し合わせがあったのでないかと予想しています。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
蛇足ですが、大成建設ハウジング、の「パルコン」という鉄筋コンクリート住宅と比較すると、

 大成建設パルコン << パナホーム(大型パネル工法)

という具合で、鉄筋コンクリート最強、だったのでした。制震なんて要らない(笑)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


そんな具合で、構造的にはかなり頑丈なパナホームですが、

住まいの提案に関する力も、素晴らしいものがありました。

プランを考えて頂くのに先立ち、私達が考えた間取り例を渡し、アンケートにも解答したのですが、

まずアンケートの解答から顧客の要望をうまく抽出する仕掛けを持っていて、

さらに、新生活の提案、というスタンスまで噛み砕いた建築プランを仕上げてくださったのです。

正直言ってシビレました。ビビっと来てしまいました。

パナホームで決めよう!」と喉まで出かかっていました。それくらい素晴らしいプランでした。


・・・
しかし、そこで思いとどまり、もう少し考える事にした理由は2つありました。

 ・インターネット上に悪評を見つけ易かった

   大手でも、積水ハウス、セキスイハイム、ダイワハウス、ミサワホーム、住友林業などは、
    あまり悪評が目立ちませんでした。

    おそらく上記の会社は削除依頼を実行していると思いますが、
    パナホームは削除依頼をあまりやってないのだろうと思いました。

   →結構大きい会社の筈だのに、なぜ出来ないのか心配になった。
     (危機管理能力的な意味で)

 ・悪評の中には、寒い、雨漏りがする、という内容が目立った

  これはパナホームの仕様を調べる内に判った2つの仕様が原因でないかと思いました。

(図:心配になる2つの仕様)


この例は、1階部にせり出しがあり、屋根が2階部の外壁に連結され、吹き抜けと土間があるようなプランです。

土間断熱がされていないと、居室が底冷えするでしょう。寒い評の原因は恐らくこれじゃないかと思いました。

雨漏り評の理由は恐らくシリコーンシーラントが原因じゃないかと思いました。

屋根と壁が出会う部分にシリコーンシーラントを適用すれば、最初の作り込みは簡単ですが、
定期的にシーラーの打ち替えをしないと、漏れやすいのでしょう。
目地の打ち変えは、古い目地を完全に掃除しないと、きちんと接着しないので、
最初の作り込みの時より、打ち変えの方が神経を使う作業になります。

屋根の防水をシリコーンシーラントに一部でも任せるのは大きな弱点だと思います。
理想的には下図のようにするべきです。


屋根を壁の裏に入れ込む構造は、私が目で見て確認したのは積水ハウスとダイワハウスです。

発泡スチロールを土間に埋め込むのは、積水ハウスの標準仕様ですが、
他社がどうなっているかは判りません。(技術カタログに載っているのは見たことがありません。)


従って私は、総二階で土間なしであればパナホームはあり得る、と考えたのでした。

吹き抜けや、土間が繋がったリビング、など一見素敵なプランはそこで住む生活に期待感を持たせますが、そういう素敵なプランにしたことが原因で家の耐久性に不安が生じるのでは問題です。

「夢のマイホーム」の筈が「儚い夢のマイホーム」になるのは避けたいものです。

特に雨漏りの場合、最悪の想定ですが、家の強度が失われる可能性があるのではないかと思いました。何故なら、

 パーティクルボードの大型壁パネル=強いが水濡れに弱い

からです。前述の通り、パナホームの大型パネル工法は、鉄の枠にパーティクルボードをビス止めする事で、家の構造体に強度をもたせているのですが、

 パーティクルボードは
  ・水に濡れると著しい強度低下を起こす
  ・濡れた後に再乾燥しても強度の再生が無い
   (一旦木の繊維が膨潤すると絡み合いが解けるからです。)
 という材料なのです。


万が一、雨漏り水濡れが起こったら、外壁を剥いでそこだけパーティクルボードを打ち替えれば良いのかもしれませんが、それを難しくするのがタイル張り外壁の存在です。

パナホームのキラテックタイルは綺麗!!だけど・・・

パナホーム一条工務店と同じTOTOのタイルを使用していますが、パナホームの場合は独自の商標である「キラテックタイル」という名前で売り出しています。デザインが違うだけでモノは同じです。

キラテックタイルは、弾性接着剤という超強力な接着剤で外壁全面に、隙間なく千鳥格子状に貼り付け、外壁の目地部を隠ぺいし紫外線から守る役目があります。接着力はタイルの下地板の強度を上回っており、タイルを剥がす=下地を壊す、に直結します。


もしパーティクルボードの構造壁を交換しようと思ったら、キラテックタイルを一部剥がして、下地板のさらに裏にあるパーティクルボードを交換するのでしょうか。

(図:タイル外壁を一部解体する場合のダメージ予想範囲)


おそらくキラテックタイルを剥がす時、隣のパネルの一部を破壊する事になる気がします。

隙間なく千鳥格子状に貼りあわせたキラテックタイルは、外壁の目地を隠ぺいして守るという役目がある反面、一部解体修理という事態に対応出来ないんじゃないかと思います。

もう一つの選択肢として、室内から内装を一部剥いで、パーティクルボードにアクセスする可能性もありますが、家の外側からでも、内側からでも、どちら側から修理するにしても、かなり大変な事だろうと思います。

・・・
上記のような考えがあり、我が家ではパナホームの選択順位を大幅に下げました。
・・・

パナホームの空気環境について思ったこと

また、パナホームを選ばれる人の中には、第2種換気システムにHEPAフィルターを使うことで、PM2.5、PM0.5という体に悪い微粒子を室内に入れない、いわゆる空気環境に魅力を感じる人もいると思います。

私も正直な所、最初に聞いた瞬間は魅力を感じました。
何故なら我が家の建つ街はPM2.5が結構飛んでいるし、家族の中には花粉症の症状持ちも居るからです。

ですが以下の理由で充分な効果は得られないだろう考えました。

 ・窓は開けたい(どう考えても人は窓を開ける)

それから、

 ・帰宅した人間の被服、外干しした洗濯物など、大気中の微粒子を大量に持ち帰る。

 ・フィルターの外枠はスポンジ。フィルターBOXへの取り付けが簡易な嵌め込み式なので、
  外枠部分の気密は充分でなくリーク(漏れ)がある。

・工場のクリーンルームには入り口のエアシャワー室が必須

 ・工場のクリーンルームが一旦クリーンでなくなると、回復するのに数日から数週間を要する。
  部屋をクリーンにするのはそれくらい難しい技術。

 ・換気すると冬場は当然寒いので、暖房のパワーが必要

(写真:パナホームの床下に仕掛けられたフィルターBOX、フィルターの外枠は黒いスポンジ)


一瞬ステキと思った仕様でしたが、色々考えみると「儚い夢」だったと思います。

・・・

最終的に積水ハウスを選んだけれども・・・


パナホームで作って頂いた当時のプランを見返すと、今でも本当に心残りがあります。
本当に素敵なプランだったからです。

積水ハウスを選んだ事も、積水ハウスが作ってくれたプランも大変満足していますが、
 「正直パナホームのプランの家は住んでみたかったな・・・」
と思っています。

家は3回建てないと満足いかないと言いますが、3軒建てて良いとしたら、1軒はパナホームにしたいと思うので、パナホームの力、つまりソフト(プランニング)で消費者マインドをがっちりキャッチする力は、
流石Panasonic!!
だったと思います。

ソフトの次は、是非ハードも充実させて欲しいと思います。



2016年8月28日日曜日

住宅メーカーの思い出、一条工務店、小動物侵入でゾッとした話

積水ハウスで建てる事に決めるまで、色々な住宅メーカーを訪問ました。
その思い出と、各社の仕様について思う所を少しずつ綴ってみたいと思います。

私が最初に入った住宅展示場は、一条工務店だったので、最初の回は一条工務店を取り上げたいと思います。

一条工務店の話題を書く前に、「夢発電システム」の存在に触れておく必要があると思います。

なぜなら、私が建築計画をした当時、一条工務店は毎年2桁成長を遂げ、業界1位の積水ハウスに迫る年間販売棟数1万戸超えの快進撃を遂げた時期だったからです。

詳しくは、一条工務店の「新卒採用のページ」に掲載されていますが、年間販売棟数1万戸超えの偉業は、「夢発電システム」の存在を抜きにしては成し得なかっただろうと思います。

・・・
電力の買い取りが始まったのは2009年11月1日、そして2012年7月1日余剰電力買取制から全量買取制に制度が変更されたのは、2011年(平成21年)3月11日の東日本大震災に起因した全原発停止に伴う電力クライシスと無関係ではなかったと思います。


買取価格が高かったので、当初は「売電でローンを返せる」という宣伝文句もありました。

 ・国全体が震災の絶望感にある中で、ローンの要らない新築の夢を見れる

そんな太陽光バブルと呼ぶにふさわしい時期に一躍成長を遂げた一条工務店は、

「夢発電システム」、という仕組みで、2012年(平成24年)エコプロダクツ大賞国土交通大臣賞を受賞しました。


「夢発電システム」というのは、
 ・太陽光の搭載費用を肩代わり(初期コストゼロ)。
 ・肩代わりした初期コストは発電分で返済
 ・初期コスト完済した後は、施主の取り分。
 ・たくさん搭載する程ローンの返済が楽々!
というコンセプトを打ち出した商品です。

一条工務店は、「夢発電システム」に加えて、
 ・安価な免震システム
 ・高い耐震性と高気密・高断熱な2X6構造
 ・30年間以上メンテナンスフリーを謳うTOTOの外壁タイル(キャンペーン価格を強調)
 ・わかりやすい坪単価システム
 ・わかり易い性能表示
など、消費者のマインドをうまくキャッチする仕掛けが揃っており、これが大ウケしたんだと思います。


・・・
さて、最初に入った住宅展示場が一条工務店だったのですが、
2階部が丸ごと技術解説フロアになっていて、
「家は性能」のキャッチフレーズと、わかり易い実物モデルと性能の表示は、
理系の心にしっかり響きました。

解説して頂いた営業マンの方も、
 「一条工務店を選ばれる方は理系の方が多いんですよ。」
と言っておられました。


一通り解説も聞いたところで、建築計画について話が始まったのですが、
しかし、その時の私は1坪が何平米であるかも知らないド素人、
 「坪50.9万円から、ただし外構費は別です。」
と言われても、
 「坪・・・外構・・・(何それ?)」
という状態だったのです。

そんな状態ですから、「夢発電システム」とか「補助金が取れるからもっと安くなる」とか云々言われても、そこは全く心に響かなかったのでした。

営業のチーフっぽい女性も「素人が来ちゃったかなぁ」という感じのビミョーな表情を浮かべながら説明してくださいました。

その頃は、中古住宅の見学も積極的にやっていた時期だったので、
あわよくば2000万円以下でどうにかならないか、と思っていましたから、
建築予算の少なさも相手にされなかった理由であろうかと思います。

・・・
一条工務店の建物の仕様については、後々充分に理解が進んだ段階では幾つか弱点を感じました。
 ・タイル外壁はいざという時にメンテナンス性が悪そう
 ・断熱材(EPS)が可燃物
 ・高気密+熱交換型第一種換気システム+太陽光+全館床暖房
  というのが豪華過ぎて、色々と機械的なメンテが気になる。
 ・高断熱を謳うサッシが、内面だけでなく、外面も樹脂で耐候性が気になる。
 ・防蟻処理材を高圧注入した木材をウリにしているが、ヒノキならそんな処理は必要ない。
  つまり原料木材がすごく安い。

そして最近、「さすけさんのブログ」で見つけた記事が気になりました。

一条工務店は水切り部分と、軒と壁の隙間の養生がされていないので、小動物(コウモリ、ネズミ)に巣食われた、というトラブル事例を紹介されており、積水ハウスの仕様が非常に良いという記事を書かれていました。


積水ハウスが水切りと、軒と壁の隙間にスリットプレートを仕込んでいるのは知っていましたが、
まさか一条工務店がそれを付けていないとは知りませんでした。
知り得る限りでは、ダイワハウスは、水切りにメッシュを仕込んでいます。
(写真:ダイワハウスの水切り、ZEVO-E仕様模型)

一条工務店と同様にタイル外壁をウリにしてるパナホームは未確認です。
外観の写真だけありましたが、正確には判りません。

外壁パネルの下に水切りが付いていますが、裏までは見ていませんでいた。
近づく機会があったら見てみたいと思います。


あらためて我が家を観察してみると、
(写真:我が家の水切り)

このようにスリットプレートが付いています。
隙間の目的は、結露を防ぐ為の壁体内通気をさせる事にありますが、
このプレートがネズミの侵入を防いでくれる、大変ありがたい物だとは、
意識していませんでした。

(写真:我が家の軒と壁の隙間)


壁と軒の間に、小屋裏通気をさせるための隙間が作ってあり、隙間は水切りと同様にスリットプレートで養生しています。

ダインコンクリート外壁の意匠凸凹で生じる隙間は、スポンジが埋め込まれているのが判ります。

これならコウモリの侵入を防げそうです。


日が暮れる頃に我が家の庭に出てみると、コウモリの飛翔が確認できます。
周囲は丘陵地なので、普通に生息しているのでしょう。

最初から全て知っていた訳ではありませんが、
積水ハウスを選んだ事で助かったんだなぁ、と思います。

積水ハウスと一条工務店を比べるとき、1つ1つのアイテムに訴求力があるのは一条工務店の方ではないかと思います。しかし、積水ハウスは飛び抜けた物は出してこないが、細かい部分でトータルバランスが良い仕様になっている、と思います。



2016年8月23日火曜日

日除けを計画しなかった失敗談1その解決策

たかが日除けの設置が、あらかじめ計画しておかなかった為、非常に難しい難題であったわけですが、色々考えてたどり着いた答えを紹介します。

材料1:
 農業用遮光ネット(超軽い!)2m×3m、ハトメ付き、約1,200円/枚 ×4枚
材料2:
 φ16mm、園芸用支柱、2.4m、2.1m、約200円/本、各2本
材料3:
 結束バンド、約300円/50本くらい
材料4:
 ブロック、約150円/個

 ・結束バンドで支柱2本連結し約3mの横棒を作る。
 ・遮光ネットを2枚重ねて3.5×3mにする。
 ・結束バンドで、横棒と遮光ネット上部(3m辺)をかたく固定する。
・結束バンドでブロック塀と、遮光ネット下部(3m辺)をゆるく固定する。

 ・2階の腰窓枠の外側にある水抜き孔を固定端に使う。
 

材料5:
 PE釣り糸8号(耐荷重42kg)、1,000円/100m


 ・庭のスチールフェンスをもう一方の固定端に使う。これが親糸。


  結びは漁師結びにて。
  漁師結びは引っ張れば引っ張るほど締まるので、耐荷重値まで耐える事が期待できる。

 材料6:3孔サルカン、パワーオヤコ(耐荷重139kg)、300円/5個くらい






親糸吊り糸位置決め糸

・2階の窓枠~庭のフェンスに親糸を渡す。
 そこに3孔サルカンを通しておいて、位置決め糸で、建物からの距離を決める。
 吊り糸はφ16mmの支柱に結び、サルカンの枝の方に通す。

材料7:
 ナス型の鉛、200円/3個くらい


・馬の手綱を杭に回して固定する要領で、吊り糸は、フェンスにくるくる回しておく。
 これだけでもしっかり固定できているが、
 念のため、1回だけ縛っておくと、どんなに揺らしても抜けない。


完成。ウェザーニュース予報で風速5mの日。風に煽られる様子です。


かなりバタついていますが、少々の風であれば、問題なさそうです。


もっともっと風が強い日はさすがに不安です。
鉛球を解けば作業時間2分くらいでおろせます。

飛んでいかないように、重石を乗せて養生します。

1日おろして置いただけで、地蜘蛛がたかっていましたから、よしずを諦めた時の予想通りです。
シーズンオフは水洗乾燥して畳んで保管するのが良さそうです。
サイズは座布団2枚分くらいになるので、余裕で室内保管できそうです。


さて、この方法で気になる所が1か所あります。2階の窓枠の水抜き穴を支持点に使っている事です。サッシメーカーもハウスメーカーも完全に想定外の使い方なので、何かがあっても自己責任だと思われます。本当に大丈夫でしょうか?

・結び部を拡大するとこのようになっています。






















・水抜き孔3つに糸1本を通しています。

なので、全体でブリッジ4本に荷重を分散し、真ん中の1本と両脇の壁で残りの荷重をサポートする感じです。

正確には判りませんが、押出しアルミ合金製で、
測ってみると、厚さ1mm、孔径3×3mm、ブリッジ幅は2.5mmであろうと思います。

ここで強度計算をして安心してみようと思います。

数値は「材料屋どっとこむ」さんのサイトを参考にしました。
アルミ合金の材質をA6063だとすると、
引張強度18.9kg/mm^2、耐力14.8kg/mm^2、とあります。(1N=1/9.8kg)

安全の計算なので、厳しく見積もってみることにします。

厚さ0.5mmであった場合、
 2.5×5×0.5=6.25mm^2 
 推定耐力92.5kg

これが窓枠の片側の値です。窓枠の両側で吊っているので、厳しく見積もっても、185kgの荷重に耐える計算になります。コーナー部に2倍くらい力の集中(応力集中)があったとしても92.5kgくらいは無傷で耐えると期待できそうです。

充分な強度が期待できそうです。

さてここで、下端部の重りに使っている「材料4:ブロック」の重さはどのくらいでしょうか?
佐々木ブロック」さんのサイトによると12cmのキホンブロックが12kgとあります。

おそらくキホンブロックがぶっ飛ぶ強さの風が吹いたら、先に遮光ネットが千切れると思います。
風速5mであれだけ煽られていましたから、風速10mは相当なバタつきになると思います。

そういう日は下ろしたほう無難であろう思います。
飛んで行って、走行中の車に命中したりしたら相当ヤバイです。



・・・なるほど合点がいった事があります。

実は日除けの設置を考える事になる前に、その旨を妻が積水ハウスのサポートセンターに相談したそうなのですが、取り付ける方法が無いという解答だったのです。

それで私に「どうにか日除けを付けてくれ」と指令が飛んできて試行錯誤が始まったのでした。


家は3回建てて満足する?(日除けを計画しなかった失敗談1)
家は3回建てて満足する?(日除けを計画しなかった失敗談1その解)
の投稿で色々な事を書きましたが、日除けを設置するうえで最も重要なのは、
 「飛んでいかない」=「安全である」
という事だと思います。

今回使った農業用遮光ネットの場合は強度が無いので、強風の際は遮光ネットが途中から千切れてオシマイだと予想しています。(壊れ方としてはベストな設計だと思います。)

一般にオーニングと称して売っている遮光用の布地は結構強度がありそうなので、結び方を間違えれば強風で飛んでいってしまうかもしれません。

それは大変な交通事故に繋がるかも。。。怖い怖い。


日除けを計画しなかった失敗談1

家は3回建てて、ようやく満足するものになる、という言葉を聞きます。

大多数の人にとって、家は一生に一度の買い物だから、
出来るわけがない話です。

だから誰もが真剣に考えて計画すると思いますし、我が家もそうでした。

計画中は、「これだけ考えたのだからほぼ完璧だろう」、と思っていても、
いざ住み始めてみると、ちょっと足りない部分に気づく事があります。


その中から「日除けを計画しなかった失敗談」を書きたいと思います。
 

 ・午後の西日を遮る物を計画しなかった

  我が家の1F部レイアウトは概略図のようになっています。


















西日が入りますが、
窓を閉めておけば直射日光が入って来ても、さほど熱気は感じません。
最近の掃き出し窓(サッシ)は、熱線を遮断()するからです。
※ガラス内面に金属膜が蒸着されており、熱気を感じる遠赤外線を遮断する。


ところが窓を開けて風を通そうとすると、直射日光が床や壁に当たり、室温がぐんぐん上昇するのです。

ちなみに閉め切ってエアコンを使えば何も問題ないのですが・・・

そういう問題ではなく、

 エアコンより自然の風通しを求めるのが人の心情のようで、
 どうしても窓を開けて思い切り風を通したいと思ってしまいます。

・・・
実は、以前住んでいた賃貸マンションは国道に面していたので、
煤塵で窓枠が黒く汚れていました

窓を開けて通気すると煤塵が入ってくるのが気になり、
あまり積極的に窓を開けませんでした。

だから、新築計画段階では「窓を開けて思い切り風を通したい」という感覚に思いが至らなかったのです。

・・・日よけの対策なんて簡単じゃないか?

そう思っていたからこそ、事前の計画を見逃したとも言えます。

日除けの定番は、

 すだれ、葦簀(よしず)、サンシェードオーニング、たてす、等

普通なら、ホームセンターで売ってるものを付ければいい、そう、それだけです。

しかし、それが簡単に出来ないという事が判った時は頭を抱えました。


「引っ掛ける場所がなかった!」のです。

・掃き出し窓(アルミ樹脂サッシ)の上部の写真です。


サッシの上に防犯シャッターの巻き取り収納ボックスが付いています。
これがあるため、ホームセンターに売っている引っ掛け金具のうち、
サッシ枠に絞めつけるタイプ(一番メジャーなタイプ)は付ける場所がありません。

1階と2階の間には何もありません。

資金的な余裕があれば軒を作っておけば良かったのかも知れません。
我が家は積水ハウスなのですが、公式にはスローリビングという商品提案がされています。

・スローリビングとは、こんな感じです。


リビングの掃き出し窓の外に段差の無いウッドデッキをつなぎ、深い軒を設ける、というスタイルです。

午後前半の強い日差しは深い軒で遮られ、柔らかい日差しが居室に届きます。
日除けが欲しい場合は、バルコニーとウッドデッキに引っ掛ければ、少々の風でも大丈夫です。

バルコニーに横格子を使えば、日除けと目隠しを両立できるW効果もあります。

スローリビングは素晴らしい提案だと思います。
我が家の場合、庭に家庭菜園を作りたかったので、ウッドデッキとその基礎打ちで庭の面積を減らしたくありませんでした。

あと、建築費用もだいぶ高くなります。
 屋根が増える(耐力壁も増えるか、屋外の通し柱が増える)
 ウッドデッキが増える(腐らない人工木を使いたい)
 大開口サッシも使いたくなる
 柱用に基礎も増える

かるく100万円以上はかかると思います。

コストを考えれば夏休み前後の猛暑シーズンもせいぜい3ヶ月くらい。
エアコンをたくさん回しても1シーズンでプラス1.5~3万円くらいでしょう。 

メリット計算で採用する仕様と言うよりは、そういう暮らし方に価値を見出す仕様です。

あと資金的にも余裕が必要です。

・・・なのでスローリビングは正直なところ羨望の眼差しですね。



そして我が家の日除け問題は試行錯誤を繰り返すことに成りました。

・・・葦簀(よしず)、たてす、を立てかければ?→考えましたがNGでした。

積水ハウスの庭地面からサッシ上部までの高さは3mあります。


このサイズのよしずは巨大である故に、運搬、保管に困ります。
屋外に巻いて置いておいたら、昆虫の巣窟化は避けられませんし、
そもそも屋外に可燃物のロールを置く事は防火上の大きな間違いです。

巨大よしずを1シーズン使い捨てにするには、窓2つ分用の購入費、粗大ごみ廃棄コスト、も含めて1.5万円くらいと思われます。

エアコンのランニングコストと近似値です。


・・・シャッターボックスに、マグネットの取り付け具が使えるじゃないか?→考えましたがNGでした。

 ・強風が予想される日の対策(外しておろす)が必要。
   →簡単に外せる固定である必要

 ・少し強いくらいの風にあおられても外れない強さが必要。
   →簡単に外れない固定である必要

という矛盾要件を満たす必要があり、容易で無いことに気づきました。

また、3mの高さにフックに付けたら、そこにアクセスするのに大きい脚立が必要です。
 ・保管場所に困る
 ・女子供が間違って使って怪我をする危険
という気がかりもありました。


・・・超強力磁石を使う方法は?→考えましたがNGでした。

シャッターボックスはコンマ何ミリかのペラペラの鉄板です。
磁気が透過して内側のシャッターロールの動きに影響してしまうでしょう。


また超強力磁石が、シャッターボックス表面の錆止め塗装を深く傷つけてしまい、
錆が生じる恐れがありました。

ペラペラの鉄板は、錆び始めると数年で孔が空く可能性があります。

シャッターボックス内のモーターは水を被ると漏電するから、
下から水を放水するな、と取扱説明書に書いてあります。


漏電が引き起こす被害は最悪の場合は火災、シャッターボックスの値段(5万円以下)とは比較にならない桁違いの被害額になります。


・・・強力接着剤で外壁にフックをつけるタイプは?→考えましたがNGでした。

前述のとおり、我が家は積水ハウスです。
該社は綺麗な外壁材がウリで、「タフクリア30」という30年間ノーメンテを謳うクリア塗装が施されています。

おそらく強力接着剤は、塗料層とフックの間を接着するに過ぎず、
 接着強度=クリア塗装の接着強度(そんなに強くない)
となってしまうので、簡単に剥がれる事が予想できました。



ぶっちゃけタフクリア30が剥がれた後に、もう一回貼れば強力にくっつくと思います。
ネットで探してみると、接着剤フックの方法でシェードを掛けた方もいらっしゃいましたので。

我が家の場合は最終手段であろうかと思いました。


、、、というわけで、たかが「日除け」の設置が、あらかじめ計画しておかないと、非常に難しい可能性がある、というのが伝えたい失敗談です。


次の記事で、我が家の日除け設置方法について紹介します。



2016年8月22日月曜日

積水ハウスで建てた住まいの記録をしてみたいと思います。

積水ハウスの家を建てました。
最初は中古住宅で検討開始し、1年経ったあたりで新築へ方針変更。
振り返ると、住み始めるまでちょうど2年間かかりました。

その間、ネットで色々な人のブログを読んで参考にさせて頂きました。

今日もどこかで真剣に家作りを悩み考えている誰かの役に立つかもしれないので、

自分もお礼の意味で情報を残しておきたいと思います。