2016年8月23日火曜日

日除けを計画しなかった失敗談1

家は3回建てて、ようやく満足するものになる、という言葉を聞きます。

大多数の人にとって、家は一生に一度の買い物だから、
出来るわけがない話です。

だから誰もが真剣に考えて計画すると思いますし、我が家もそうでした。

計画中は、「これだけ考えたのだからほぼ完璧だろう」、と思っていても、
いざ住み始めてみると、ちょっと足りない部分に気づく事があります。


その中から「日除けを計画しなかった失敗談」を書きたいと思います。
 

 ・午後の西日を遮る物を計画しなかった

  我が家の1F部レイアウトは概略図のようになっています。


















西日が入りますが、
窓を閉めておけば直射日光が入って来ても、さほど熱気は感じません。
最近の掃き出し窓(サッシ)は、熱線を遮断()するからです。
※ガラス内面に金属膜が蒸着されており、熱気を感じる遠赤外線を遮断する。


ところが窓を開けて風を通そうとすると、直射日光が床や壁に当たり、室温がぐんぐん上昇するのです。

ちなみに閉め切ってエアコンを使えば何も問題ないのですが・・・

そういう問題ではなく、

 エアコンより自然の風通しを求めるのが人の心情のようで、
 どうしても窓を開けて思い切り風を通したいと思ってしまいます。

・・・
実は、以前住んでいた賃貸マンションは国道に面していたので、
煤塵で窓枠が黒く汚れていました

窓を開けて通気すると煤塵が入ってくるのが気になり、
あまり積極的に窓を開けませんでした。

だから、新築計画段階では「窓を開けて思い切り風を通したい」という感覚に思いが至らなかったのです。

・・・日よけの対策なんて簡単じゃないか?

そう思っていたからこそ、事前の計画を見逃したとも言えます。

日除けの定番は、

 すだれ、葦簀(よしず)、サンシェードオーニング、たてす、等

普通なら、ホームセンターで売ってるものを付ければいい、そう、それだけです。

しかし、それが簡単に出来ないという事が判った時は頭を抱えました。


「引っ掛ける場所がなかった!」のです。

・掃き出し窓(アルミ樹脂サッシ)の上部の写真です。


サッシの上に防犯シャッターの巻き取り収納ボックスが付いています。
これがあるため、ホームセンターに売っている引っ掛け金具のうち、
サッシ枠に絞めつけるタイプ(一番メジャーなタイプ)は付ける場所がありません。

1階と2階の間には何もありません。

資金的な余裕があれば軒を作っておけば良かったのかも知れません。
我が家は積水ハウスなのですが、公式にはスローリビングという商品提案がされています。

・スローリビングとは、こんな感じです。


リビングの掃き出し窓の外に段差の無いウッドデッキをつなぎ、深い軒を設ける、というスタイルです。

午後前半の強い日差しは深い軒で遮られ、柔らかい日差しが居室に届きます。
日除けが欲しい場合は、バルコニーとウッドデッキに引っ掛ければ、少々の風でも大丈夫です。

バルコニーに横格子を使えば、日除けと目隠しを両立できるW効果もあります。

スローリビングは素晴らしい提案だと思います。
我が家の場合、庭に家庭菜園を作りたかったので、ウッドデッキとその基礎打ちで庭の面積を減らしたくありませんでした。

あと、建築費用もだいぶ高くなります。
 屋根が増える(耐力壁も増えるか、屋外の通し柱が増える)
 ウッドデッキが増える(腐らない人工木を使いたい)
 大開口サッシも使いたくなる
 柱用に基礎も増える

かるく100万円以上はかかると思います。

コストを考えれば夏休み前後の猛暑シーズンもせいぜい3ヶ月くらい。
エアコンをたくさん回しても1シーズンでプラス1.5~3万円くらいでしょう。 

メリット計算で採用する仕様と言うよりは、そういう暮らし方に価値を見出す仕様です。

あと資金的にも余裕が必要です。

・・・なのでスローリビングは正直なところ羨望の眼差しですね。



そして我が家の日除け問題は試行錯誤を繰り返すことに成りました。

・・・葦簀(よしず)、たてす、を立てかければ?→考えましたがNGでした。

積水ハウスの庭地面からサッシ上部までの高さは3mあります。


このサイズのよしずは巨大である故に、運搬、保管に困ります。
屋外に巻いて置いておいたら、昆虫の巣窟化は避けられませんし、
そもそも屋外に可燃物のロールを置く事は防火上の大きな間違いです。

巨大よしずを1シーズン使い捨てにするには、窓2つ分用の購入費、粗大ごみ廃棄コスト、も含めて1.5万円くらいと思われます。

エアコンのランニングコストと近似値です。


・・・シャッターボックスに、マグネットの取り付け具が使えるじゃないか?→考えましたがNGでした。

 ・強風が予想される日の対策(外しておろす)が必要。
   →簡単に外せる固定である必要

 ・少し強いくらいの風にあおられても外れない強さが必要。
   →簡単に外れない固定である必要

という矛盾要件を満たす必要があり、容易で無いことに気づきました。

また、3mの高さにフックに付けたら、そこにアクセスするのに大きい脚立が必要です。
 ・保管場所に困る
 ・女子供が間違って使って怪我をする危険
という気がかりもありました。


・・・超強力磁石を使う方法は?→考えましたがNGでした。

シャッターボックスはコンマ何ミリかのペラペラの鉄板です。
磁気が透過して内側のシャッターロールの動きに影響してしまうでしょう。


また超強力磁石が、シャッターボックス表面の錆止め塗装を深く傷つけてしまい、
錆が生じる恐れがありました。

ペラペラの鉄板は、錆び始めると数年で孔が空く可能性があります。

シャッターボックス内のモーターは水を被ると漏電するから、
下から水を放水するな、と取扱説明書に書いてあります。


漏電が引き起こす被害は最悪の場合は火災、シャッターボックスの値段(5万円以下)とは比較にならない桁違いの被害額になります。


・・・強力接着剤で外壁にフックをつけるタイプは?→考えましたがNGでした。

前述のとおり、我が家は積水ハウスです。
該社は綺麗な外壁材がウリで、「タフクリア30」という30年間ノーメンテを謳うクリア塗装が施されています。

おそらく強力接着剤は、塗料層とフックの間を接着するに過ぎず、
 接着強度=クリア塗装の接着強度(そんなに強くない)
となってしまうので、簡単に剥がれる事が予想できました。



ぶっちゃけタフクリア30が剥がれた後に、もう一回貼れば強力にくっつくと思います。
ネットで探してみると、接着剤フックの方法でシェードを掛けた方もいらっしゃいましたので。

我が家の場合は最終手段であろうかと思いました。


、、、というわけで、たかが「日除け」の設置が、あらかじめ計画しておかないと、非常に難しい可能性がある、というのが伝えたい失敗談です。


次の記事で、我が家の日除け設置方法について紹介します。



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