2016年9月3日土曜日

断熱材は不燃材が良い1 ~火災統計には放火が多い~

火事の防災を考える上で重要な統計を紹介します。

総務省消防庁のHPにある以下のデータです。(2016年9月時点)

================================================ココから引用

6 出火原因別にみた火災発生状況

(1)全火災34,248件を出火原因別にみますと、以下のとおりです。

たばこ4,048件11.8%
放 火3,437件10.0%
放火の疑い3,053件8.9%
たき火3,040件8.9%
こんろ3,027件8.8%
火あそび1,572件4.6%
ストーブ1,215件3.5%
火入れ845件2.5%
焼却炉674件2.0%
電灯・電話等の配線590件1.7%
マッチ・ライター589件1.7%
溶接機・切断機430件1.3%
電気機器396件1.2%
配線器具385件1.1%
風呂かまど375件1.1%
その他5,896件17.2%
不明・調査中4,676件13.7%
================================================引用ココまで

出火原因のトップは、住人自らがコントロール不可能な外からの火です。

「火事に気をつける」=「放火に気をつける」

と解釈する必要がある統計的事実です。これが頭に入っている人は少ないと思います。

わかり易い怖い絵を描いてみます。


万が一、外火(放火)が生じた場合、

外壁が通気層を確保している部分(水切り部分)は弱点になり得ます。

通気層の存在は、内部結露壁体内結露、を防ぐ為に必要なのですが、放火に対して宿命的な弱点になり得る事を考えておく必要があります。


唯一、放火の火を防ぐ事が完全に出来るのは、RC(鉄筋コンクリート)造、だけです。

だからRC造は火災保険は安く、固定資産税は高いんです。(
(※35坪程度なら、普通の木造・軽量鉄骨に比べて、生涯で+300万円くらい取られる感覚です。)


積水ハウスの軽量鉄骨はグラスウール、木造(シャーウッド)はロックウールを使っています。

以下、私見も混じりますが、積水ハウスの断熱材に対する考え方は、外壁とセットで考えられていると思います。

 断熱材: 万が一、外からの火が生じても引火させないよう不燃材を使う
            ( → グラスウール、ロックウール)

 外壁材:  万が一、外壁が壊れると、雨が侵入する。

        軽量鉄骨に使うグラスウールは吸水すると最悪なので
        飛び切り頑丈な外壁で守る。

        (金属バットフルスイングで貫通しないくらい強い外壁)

グラスウールを使う上で重要なのは、飛び切り頑丈な外壁で守る事だと、積水ハウスは考えている筈です。

何故なら、積水ハウスの軽量鉄骨造はブレース構造なので、グラスウールが最も施工に適しているけど、反面グラスウールは水濡れ厳禁だからです。


積水ハウスのオリジナル外壁は、美観だけでなく、グラスウールを強固に守る為の特別仕様なのであって、伊達(格好だけ)じゃないんだと、私は思います。


ただ、一般人の私にはブログで「火事(放火)に気を付けた方が良い」と書く自由はありますが、

営業シーンでそれを言うと脅迫とか威力業務妨害とかになりかねないので、表向きは美しい外壁、という事にしているんじゃないかと思います。


「断熱材は不燃材」という選択は、火災の統計に基づいた防災の視点から、非常に重要な選択になると思います。


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