2020年3月1日日曜日

建築過程、地盤補強

前回 >先行工事

続いて地盤補強工事の様子です。

まずは地鎮祭を執り行いました。施主が日中忙しい為、積水ハウスの営業マンは近所の神社へ行き神職に儀式依頼をしくれました。たしか、お神酒や祭壇へのお供え物の手配まで世話してくれて、施主は当日正装だけして来れば良いように全部段取りしてくれたのだったと思います。本当にスーパー営業マンです。お世話になりました。

滞りなく地鎮祭を終え、記念品として積水ハウスオリジナル清酒「家物語」を頂いた事は、少しばかり驚きがありました。

賞味したのは一年後くらいだったように思います。その後の建築過程と引っ越し後の忙しさのため。「家物語」はたしか本醸造酒だったので保存上の問題は無かったと思いますが、少々キツめの味だったので、料理酒に使いました。

地鎮祭に続き地盤補強工事が始まりました。我が家の敷地の土壌は粘土質で、スウェーデン式サウンディング試験で10m掘っても換算N値は5~10程度、表層1mは換算N値1程度という低い値で、地盤補強は必須でした。

積水ハウスの地盤補強工法として第一に挙がったのは鋼管杭工法で、シャークパイル工法(リンク先pdf,p.179)という積水ハウスのオリジナル鋼管杭工法でした。
積水ハウスのサステナブルレポート2017より
しかし鋼管杭工法は、杭の先端が支持層に到達している事が必須条件なので、調査した深度内に十分な強度の支持層が確認できないからには、別途大深度まで調査してからでないと鋼管杭を使う事はできません。調査費用は別途必要になるでしょう。

回避策としてタイガーパイルという特殊なソイルセメントコラム工法を適用しました。
http://www.travers.co.jp/tiger.html
トラバース社のタイガーパイル
ソイルセメントコラムは土壌との摩擦力も利用できるため、支持層まで到達しなくても高い支持力を発揮します。ただし弱点があって、地下に腐植土があった場合、セメントの硬化が不十分になり支持力を発揮できません。タイガーパイル工法は段付き鋼管をコラムの中心部に挿入することで、仮に腐植土が存在した場合でも支持力低下を最小限に抑えます。
トラバース
http://www.travers.co.jp/tiger.html
タイガーパイルは曲げても折れない
また傾斜地の軟弱地盤特有の不安要素として、地震時のせん断変形(つまり地滑り)がありますが、それに対して通常のソイルセメントコラムは全く無力だと思います。しかしタイガーパイルは鋼管挿入によって鉄筋コンクリート化され高い曲げ強度が得られるので、地震で地盤が動いた場合でも地下で折れる心配を低減できると私は期待しています。

ソイルセメントコラム工法自体は積水ハウスも節付き柱状改良工法という支持力の高いオリジナル工法を持っているのですが、傾斜地+軟弱地盤という状況から、タイガーパイル工法のメリットが上回ったと考えています。
私の居住地域の積水ハウス支店ではタイガーパイル工法は使った事がないという事でしたが、調べてもらったところ大阪方面では実績があるという事で、商取引上の問題も無くスムーズに採用できたのは幸いでした。

タイガーパイル施工の様子の動画です。
杭長3.5m、杭直径114.3mm(コラム径400)、支持力81kN/本、のタイガーパイルが20本施工されました。擁壁側の5本のみ杭長5mになっています。これは擁壁高2m分の盛土に対して地耐力を期待しない為です。
タイガーパイル工法の肝になる段付き鋼管杭は、垂直に挿入される必要があるのですが、この工法が開発された初期は人が抱きかかえて沈めていたそうです。その後装置が改良されて掘削機の軸と鋼管の軸とで同じ垂直が出るようになっています。

掘削孔の中心は治具によりきちんと決定されます。また、掘削動画から判るように、掘削軸と同じ垂直を維持したまま鋼管が把持されおり。これがショベルカーのように装置中心で旋回する事で、掘削軸のあった位置に鋼管軸が置換されます。なかなか良く考えられた装置です。

ソイルセメントコラムの施工品質は、装置のコンソール画面から管理されているようです。管理指標が表示されており、作業者はこれを見ながら工事を管理しているのだと思います。

コラム径もきちんと管理され、写真納品されています。

杭直径は間違いなく114mmあります。

間違いなく20本あります。

杭長も間違いなく3.5mあります。

ここで紹介している施工時の写真は積水ハウスの現場監督が撮影してくれたもので、このようにしっかり管理されている事を伝えてくれました。大事な部分はちゃんと見て記録を取っているんですね。

また、積水ハウスから納品された地盤説明書によると、
長期 最大鉛直力 56kN ≦ 許容鉛直支持力 81kN/本
短期 最大鉛直力 109kN ≦ 許容鉛直支持力 162kN/本
と書かれており、設計は1.4倍強の安全率を持たせているようです。

このように積水ハウスは地盤をしっかり補強できています。

実は「積水ハウス+地盤」で検索すると、
積水ハウスの地盤判定はいい加減
積水は地盤調査、改良ともに安い分、あまい
というYahoo知恵袋の投稿が存在するのですが、
我が家の記録を見ると全くそんな事は感じられません。
まったく積水ハウスに対するネガティブキャンペーンは見る度にうんざりするようないい加減な書き込みばかりです。

ここまで読んで頂きありがとうございました。
次回は基礎工事です。

次回 >基礎工事

0 件のコメント:

コメントを投稿