「谷川建設」をご存知でしょうか?
本社は長崎県、
在来軸組工法でありながら、
・耐震等級3
・風速60m対応
が標準仕様、構造材は国産最高級檜のひとつ「木曽檜」を潤沢に使います。
構造部に集成材は使いません、総無垢材です。
屋根裏(※)までも全て高級無垢材です。
(※瓦葺き屋根の野地板は一般的に合板ですが、谷川建設は無垢を使います。)
樹脂ヤニがたっぷり含まれた檜、米マツ、ヒバなどは蟻も逃げ出す芳香成分でいっぱいです。
欧州産ホワイトウッドは防蟻防腐薬を高圧注入しないと使えないのに対して、まるで素性が違う木材です。
ミサワホームや、一条工務店が、樹齢80年くらいの欧州産ホワイトウッドを、
「しっかり防蟻・防腐処理している」と、胸を張って技術解説資料に載せていますが、
谷川建設の仕様を知ると「木材の根本的な質」が違う事を発見しました。
(※羽目板、塗り壁を意識的に多用する内装と、家具は大工造作、という条件が必須だろうと思います。モデルハウスだから出来る事だろうと思います。)
谷川建設のスタイルを簡単にまとめると、
・ 大工さんは棟梁級を囲い込む
・ 品質保証は大工の誇りにかけて!
という感じ。
伝統を貫き守る事にお金を掛けるのが、谷川建設のスタイルだと感じます。
■谷川建設の営業マンに頂いたお手紙は秀逸だった。
手書きの暖かい字で書かれたお手紙の中にグサリと刺さる台詞がありました。
「他社の家は接着剤を多用している接着剤の家」
上品で穏やかな文面の中にあった、すごい攻撃力のある一言でした。
心当たりのある会社はいくつもあります。
ミサワホームは正に接着剤の家と呼ぶのに相応しい構造です。
ミサワホームの技術資料によると、使用している接着剤は
ホルムアルデヒドが少ないという事が書かれているので、
高級接着剤の家 と言う事になります。
パナホームは大型パネル工法が、鉄と接着剤の家だと言えます。
パーティクルボードが木片と接着剤の混練成形品だからです。
(参考記事:パナホームを選ばなかった理由)
住友林業、シャーウッド(積水ハウス)は集成材の家ですから、
谷川建設から見れば、接着剤の家という事になってしまうのです!!
・・・いやいや、集成材工法は、
・材料の強度が保証されていてバラツキも少ない
・金物工法で仕口強度の低下を防げる
・ドリフトピン工法は施工品質がバラツキにくい
・・・とメリットを述べた所で、谷川建設には通用しないでしょう。
施工品質が悪いのは大工の腕が悪い。
それは大工じゃなく大八と言う。
大工 → 第9、に及ばない手前の存在 → 第8
囲い込んでいる大工集団の腕に絶対の自信を持っているわけです。
「THE大工かっこいい谷川建設」
■谷川建設の上棟式
谷川建設の上棟式の日は、棟梁級の大工さんが何人も集まり大木槌を振るいます。
それはそれは圧巻の迫力でした。
早朝から大木槌の音を響き渡らせ、
半日で一気に屋根まで組み上げ、
アスファルトルーフィングを敷き終えて雨養生を完了させる。
施主が大盤振る舞いに餅撒きをしたら、
後はゆっくり内外装仕事へ・・・
私がお世話になった積水ハウスの営業マンが、
「あるお客さんの契約競争で谷川建設に負けてしまった。」
という事を話してくれたのですが、そのお客さんが谷川建設を選んだ理由は、「昔ながらのやり方に魅力を感じたから」だという事でした。
積水ハウスの売りポイントは、
・耐久性
・メンテナンスサイクルの長さ
・ライフサイクルコストの低さ
・外壁材の意匠性
等だと思いますが、谷川建設の場合は、
・とにかくイイ木材を使っている(耐久性も高い)
・腕のいい囲い込み大工集団
・社長が引き渡しの挨拶に来る
といった感じなので、そもそも勝負する土俵が違うんですね。
例えば、積水ハウス、パナホーム、セキスイハイムなどは、メンテナンスコストが低い事をウリにしていますが、谷川建設は、メンテナンスコストが低いというような事は一切主張していませんでした。
モデルハウスのお値段もお高い数字でした。
例えば、エコジョーズの建売モデルハウスの価格が、太陽光+エネファーム仕様の大手(積水ハウスやダイワハウス)と同等か、むしろ若干高いくらいでしたから、建築材料費の高さが伺えます。
普通だったら、大手より高い木造だなんて訳が判らないんですが、、、
「・・・THEお金持ちの家」谷川建設のモデルハウスは入った瞬間、檜の香りが立ち籠め、それだけで気分が舞い上がってしまいました。
「わぁ~木の家だぁ~♪」
檜の香りが立ち籠めていました。
見せ柱は樹齢200年の背割檜だったり、四面無節の吉野桧だったり。(どっちもお高い!!)
(写真:四面無節の吉野桧の見せ柱、相場で20万円以上かな)
とにかく気分が舞い上がってしまって、「今すぐ欲しい!」とすら思いました。
(※住宅を衝動買いなんてあり得ないんですが、そう思ったという事です。)
そこまで一目惚れして、なぜ谷川建設に決めなかったかというと、ほぼ消極的な理由でした。
■谷川建設を選ばなかった消極的な理由
※1.重要な気付きがあった(今となっては当たり前の事なのですが・・・。)
香りの発生源は内装の板であって、
構造木からではないのです。
木の家だから香るのでなく、
木の内装が香っている。
谷川建設に限らず、木の香りがするモデルハウスは、
内装(押入れ、壁面、天井、床など)に、香りの強い檜を使うなどして香りを演出しています。
構造現場に見学に行くと、香りがあまりしないのでよく判ります。
(なのでもしも、木の香りが素敵だから、という理由で住宅会社を決めた時、もしビニールクロスで内装を仕上げたりすると、ガッカリするに違いありません。)
木の家は、内装に木を多用して木の地肌を見せてこそ、木の家らしくなるし、風合いも香りも木の家らしくなるんです。
つまり、木の家だろうが、鉄の家だろうが、コンクリートの家だろうが、どれだって内装に木を使えば出来上がる物は同じ、という事です。
※2.予算的に苦しい
前述の通り、ライフサイクルコストが安いというようなウリ文句はありません。
※3.木の家らしく仕上げると耐火性を失う
反面失うのは耐火性です。
耐火性が欲しければ、木の家らしい外観を諦めてサイディングを貼るしかありません。
内装も木の天井や木の壁を諦めて石膏ボードと塩ビクロスを貼る以外選択肢がありません。
外装は10m四方を隣家から離す事ができれば話は違いますが、100坪級の土地が必要です。
自分が建てたい庶民の家は、子供の学費を払いつつ家族の罹災リスクを極限まで減らせる家です。望んでいる方向性がちょっと違う。
※4.実家がシロアリに食われたトラウマがある
谷川建設の木曽檜はシロアリに食われないと思いますが、実家の梁からおびただしい数のシロアリが飛散した経験がある為、檜だからとタカをくくって防蟻処理をしないわけにはいかない。結構コストがかかる筈。
※5.人生で4回全焼火事を見ている
実家の近所の文化財が全焼
実家の近所の小学校の友人宅が全焼
賃貸マンションから見える丘で2件立て続けに全焼
(写真:賃貸マンションから見えた全焼の火事)
デジカメだから小さいですが、双眼鏡で見たらすごい恐怖感でした。
防火上、戸建て2階住宅は、内装の壁と天井を不燃材で仕上げておく事が最も重要です。
そもそも火災で死亡する原因は煙に巻かれての窒息死だからです。
特に壁と天井は不燃材の石膏ボードと、延焼しにくい塩ビクロスで仕上げるのが最良です。
(※3で上述の通り、木の家っぽさは台無しになります。)
別の記事リンク:
「木の家は鉄の家より火災に強い」とは誰も言ってない。
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おそらく生涯に渡ってお金の心配が無ければ、我が家が谷川建設を選んだ可能性は高いと思います。そんな予算は宝くじが当たらないと無いので残念です。
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