2017年9月20日水曜日

積水ハウスは性能が劣る!のか?

この記事を書こうと思った発端は
先ほど22時前に窓を開けたら、何故か聞こえて来た建築音(トンカントンカン)です。

音源は近所で立て直し新築をやっているアエラホームなのですが、
どんなビルダーなのか気になってHPを見たら断熱性能をウリにしているビルダーで、使っている断熱材はウレタン(私は好きになれなかった可燃性断熱材)でした。

アエラホームの建築費を検索してみると、坪単価は50万円/坪~、とあったので、きっと施主さんは建築費と性能とを比較する「価格性能比の考え方」でお選びになったのかなぁ、と思った次第です。(積水ハウスは60万円/坪~、または70万円/坪~、と評されます。)

家の断熱性能はC値Q値、といった単一の値なので非常に横比較し易く、
その為、数値をPRするビルダーは多数あります。


数値をPRする代表的な大手ビルダーは一条工務店ですが、積水ハウスは、数値性能をほぼPRに使いません。それは積水ハウスが他社を圧倒するピーク性能値を叩き出せないからなので、その為、性能が劣る家、と評価される事もあるようです。

積水ハウスは性能が劣るのでしょうか?
実際に住んでいる私の感想としては、「本当でもあり、嘘でもある。」です。

本当に劣る部分は、数値そのものでしょう。
断熱性や気密性を単一の評価値で見れば積水ハウスは他社に劣ります。
それは間違いありません。

何故、積水ハウス数値性能が劣るのか?
答えは簡単、積水ハウス断熱材がグラスウールだからです。

ウレタンを使えば、断熱性、気密性、どちらも数値性能を上げる事ができますが、
耐火性を失うので、積水ハウスではグラスウールを採用しています。
その結果、数値性能の競争では絶対に勝てないのです。

その数値性能は正しいのか?
「数値は正しい」と考えるのが基本ですが、
数値の裏にある事も知っておきたい所です。

参考資料として、姫路のビルダー、クオホームさんがUPしている動画を紹介します。

断熱材は選ぶな!


断熱材にこだわってはいけない理由


説明には細かい部分もありますが要は、
 窓から逃げる熱量が多いので、窓から採光して明るい家にしたなら、
 断熱材の性能なんて意味が無くなるよ。
という事を言っています。

ほとんどのお宅は窓から光は取り入れますから、
つまり、断熱材では実値性能の差は出せない、という事を言っています。

では窓サッシで差を出せるか?
というと、窓サッシはLIXIL三協アルミYKKAPといった有名メーカーが作る物を買って取り付ける以外に選択肢は無いので、施主がお金を掛けるかどうかです。しかし、窓の全てを高性能サッシにすると、結構値段が張るので、価格性能比が悪くなります

例外的に一条工務店が高性能な窓サッシを自社調達しスケールメリットでコストダウンしているようですが、規模の劣る一般工務店やフランチャイズビルダーでは難しい方法論です。

数値性能で差を出す最後の手段が「気密」
であると私は考えます。
気密は現場発泡ウレタンを使えば比較的ローコストで実現でき、数値性能を高める事ができます。
高気密高断熱を謳うビルダーでは現場発泡ウレタンがよく採用されますが、ここでも例外的に一条工務店は現場発泡ウレタンに消極的です。おそらく、大なり小なり手作業で芸が細かい事になるので、工業化住宅の概念から外れてしまう為だろうと思います。

以上の事から一般工務店やフランチャイズビルダーは、現場発泡ウレタンのように人の手を使った工事で数値性能を高め、積水ハウスのような大手ビルダーに対抗する、という図式が見えます。

つまり、施主が数値性能を求めた時点で、積水ハウスのような大手ビルダーは選択肢から外れるように出来ているのです。

そしてタイトルの問いに戻る
もし、積水ハウスは性能が劣るのか?と問われれば、
その答えは「数値性能では劣るのでしょう」です。
そりゃぁ数値ですから。

ですが、その問いの真の意味は、
 可燃性断熱材(ウレタン)が好きか嫌いか?
であり、
 私は好きになれなかった
という答えになります。

我が家の積水ハウスは数値性能では劣るかもしれませんが、
不燃性材料を多用している所が好きです。

可燃材料に包まれた家に家族を置いておく事は、安全を最優先に考えた時にベストの選択とは思えませんでした。


2020/3/28追加
Bloggerの統計情報によると、結構この記事が読まれています。
ネガティブワードが入った記事は読む人が多くなるようですね。
そこで、この冬の我が家の温度の記録をとってみました。


我が家の室温は外気温に対しておおむね、
 無暖房:外気プラス6~10℃
 弱暖房:外気プラス12~17℃
でした。弱暖房はガス暖房の最弱運転です。
室温は20℃あたりが快適に感じます。

性能を気にする場合は、本当はこういうデータが大切だと思います。
しかしこういうデータは見た事がありません。

こういうデータが流通しない理由は、計測条件による変化の幅がある為、横比較の役に立たないからですが、我が家の積水ハウスの性能を定量的に把握する事が出来た事は、私にとっては意味のある事でした。
私の積水ハウスは結構いい性能だと思います


計測条件、
 室内:1階リビングダイニング
     胸高(約1.2m)
     食事テーブルの近く
     室内面積、約10坪、約18畳、前後
 室外:西側基礎の近く
     脛高(約0.3m)
     起床時なので日射の影響なし

使った計測機はシチズンのコードレス温湿度計です。

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