「蔵のある家」というフレーズは力強い印象があり、記憶に刻み込まれていました。
TVCMも中身までは覚えていないものの、なんか素敵な感じ、という印象が焼き付いていました。
住宅展示場に始めていった時は、入り口付近にあった一条工務店にとりあえず入りましたが、
次は「蔵」が見たい、と妻に言われてミサワホームのモデルハウスに入りました。
まだ、本当に検討を開始した頃だったので、写真を撮る習慣もなく、
ただモデルハウスの設備内装を見て、高そうだなぁ、広いなぁ、と舌を巻いていました。
だから写真ライブラリを見返しても、ミサワホームの展示場の写真があまり残っていません。
なので、文字での説明が多くなります。
■ミサワホームの基礎と床下
紹介できる写真は数少ないですが、分譲地モデルハウスの床下を紹介します。
写真1:ミサワホームモデルハウスの床下1
写真2:ミサワホームモデルハウスの床下2
ミサワホームの標準仕様は、布基礎、砂利敷きシート敷設(土間コンクリート無し)、です。
一般的には、ベタ基礎か、布基礎+土間コン、が主流だと思いますが、ミサワホームでは土間コンクリートを標準装備にしていませんでした。
理由を聞いてみると、数年で床下の湿気は無くなるという研究結果があるのだとか。
写真で見る床下の天井面にある黒いシートは、虫除け効果が染み込ませてあり、5年だったか10年だったかに1度のサイクルで床下に入って薬液を塗る工事をするのだそうです。
薬液については、イカリ消毒、と共同開発した害の少ない天然ヒノキの成分だと説明を受けました。ミサワホーム自慢のテクノロジーの1つであるようです。
薬液追加の施工法は聞いていませんが、刷毛かローカーで塗るか、ガンを持ち込んで吹き付けるか、くらいしか無いと思います。このシートの上に這って寝転がり、まともな全面塗布作業が出来るのか不安を感じた、というのが正直な感想。
■ミサワホームの蔵
冒頭で書いたように「蔵」はミサワホームの看板商品であろうか思います。「蔵」はミサワホームの商標なので、一般的には「スキップフロア」という呼び方があります。1回目の訪問時、「蔵」に期待を膨らませて見学し、『結構いいな』、と思いましたが、2回目の訪問時には『絶対無い』に変わりました。
何故なら、2回目の訪問の時、私の腰にはコルセットが巻かれていた(子供との遊び方に失敗して腰を痛めてしまった)のです。
「蔵」は天井高140cm、子供は喜んで走り回れますが、大人は中腰でかがんで入ります。
そうです、
「蔵」は痛めた腰に辛過ぎる空間だったのです。
「蔵」「スキップフロア」は夢のある構造ですが、
一生涯に渡って腰を痛めない前提
だという事が子供のお陰で運悪く(良く?)判ってしまったのでした。私の腰はその後完治しましたが、加齢と共に痛める事もあるでしょう。
そういう意味で、
『「蔵」は絶対無い』
と考えるようになりました。■腰痛の罹患統計
上記リンクからデータ引用すると、
「10人に1人」の高確率で腰痛を発症する。
職業上疾病(つまり労災とか)の60%が腰痛で年間約600件発生する。
とあります。
データから考えても、やはり
『「蔵」は絶対無い』
■ミサワホームのプランニング
積水ハウスや、パナホームが色々細かい提案をしてくれたのと真逆に、ミサワホームは面白い提案は一切ありませんでした。我々が考えた叩き台の間取りを、そのままコピペする有様でした。
我々の予算規模がミサワホームのコストに合わなかったため手抜きをされたのか、そういう業務形態なのか、判らないところです。三井ホームのように建築家に外注しているのかと思いきや、ホー
ムページには一級建築時事務所登録があると書かれています。謎です。
■ミサワホームの耐震性
非常に強い、鉄骨(具体的には積水ハウス、パナホーム、ダイワハウス)を超える頑丈さがある、という事をホームページや、技術カタログ等で胸を張っています。信者が存在するくらい頑丈です。
ただ、工場見学に行って展示を見て思ったのは、他社を過剰に弱く見せる演出が強い、という事です。
別記事:積水ハウスのブレースは弱いのか?
で書きましたが、真剣に比較すれば、そんなに遜色ないんですよね。
■ミサワホームの接着剤
ホームページや、技術カタログ等でも接着剤の接着力が大変強いという事に胸を張っているわけですが、ちゃんと塗られているのか、建ってしまえば判らないという疑問もあります。
別記事:木質パネル接着工法で衝撃の品質?
に紹介しましたが、接着剤の施工状況が悪いと酷い事になるようです。
(※別記事で紹介した動画にはミサワホームとは書かれていませんが、構造を見るとミサワホームであるように見えます。)
ですがまぁ、鉄骨だってボルトが緩むかもしれないし、木造金物工法だってビスが緩むんじゃないか、って事にもなるわけなので、無駄な心配かもしれません。
また、
で書いたように、接着剤という素材その物に魅力を感じるかというと、自分の場合はそうではありませんでした。
■ミサワホームの総括
木質パネルの頑丈さは非常に素晴らしい物があります。選択肢に残らなかった理由としては、
・メンテナンスコストの低さをアピールするアイテムが防蟻処理くらい
・プランニングの手抜きから考えて、おそらく基本的な価格が高い(※)
※ミサワホームと同時に検討している他社は、積水ハウス、パナホーム、ダイワハウス、
と伝えてあったので、その3社よりは明らかに高いのだろうと思います。
・鉄骨を超える耐震性(揺れ幅の小ささ)を謳うが、
そこを大事にするならパルコン(大成建設ハウジング)の方がもっと強い
・鉄骨を越える耐震性があった所で、鉄骨だって実大実験で震度7に何十回も耐える。
オーバースペックな強さは魅力はありつつも、コストが高過ぎれば選べない、という事です。別の記事で書く予定ですが、パルコン(大成建設ハウジング)を検討しあきらめた時にも、同じ事を思いました。
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